本気出せばヲタ卒なんていつでもできるし。

社会人ジャニヲタがジャニーズとヲタクに関して勝手に考察しているブログです。

多ステは悪か

嵐など大人気のチケットを巡っては、よく

「チケット1枚も取れない人もいるのだから、何枚も取れた人は譲るべき」

とか

「1公演も行けない人がいる中、多ステするなんて!」

というツイを見かけるが、果たしてこの論理は正しいのか。

 

気持ちはよく分かる。

「自分は1回も公演に行けないのに、なぜ何回も入る人がいるのか」

と不公平感を感じてしまう。

とても楽しみにしていた公演に行けない悔しさは計り知れない。

ただ、多ステをしている人は総じてそれなりの努力(お金と手間という点で)をしている。

嵐クラスにもなるとファンクラブに入会してコンサートを申し込んでも、

だいたい2~3年に1回しか当たらないと聞いている。

当たる確率を上げるためには、申込み数を増やすしかない。

親や兄弟、親戚、友達にファンクラブに入会してもらい、コンサートを申し込んでもらう。

1個申し込むよりも、10個申し込んだほうが当たる確率は上がるだろう。

もちろんファンクラブに入会および継続するには年間5000円(更新は4000円)かかる。

10個のファンクラブ名義を作るには5000×10=50,000円 のお金がかかる。

また自分の趣味のために他人の住所を借りるということはそれなりに迷惑がかかる。

簡易書留で送られるチケットを受け取ってもらい、自分に渡すないしは郵送してもらわなければならない。

人によっては迷惑料として多少の心遣いを渡したり、定期的に食事をごちそうしたりしている方もおられるかもしれない。

もちろんそのようにして借りた名義で申し込みもたくさんしなければならないので、振込額が何十万になるケースもあるだろう。

現場が発表されれば、それだけまとまった金額を用意できるよう日ごろから貯金されておられるのではないか。

多くの人がそうして当てたチケットで、多ステ(同じ公演に何回も入ること)しているのだろう。

 

だから、自分が外れたからと言って「何枚も当たったのならチケット1枚くらいください」なんて安易に言えたものじゃない。

それなりにお金と手間がかかっているのだから。

 

ここで誤解のないように言っておくと、ジャニーズのファンクラブ規約には、基本的に取ったチケットは自分が入るために使えとうたっている。

なので、前述のようなやり方を推奨しているわけでも、肯定しているわけでもない。

ただ、多ステのためでなくても1回でも行くためにファンクラブに何個も入っている人は絶対数存在する。

事務所がファンクラブ会費から得る収入もそれなりに大きなウエイトを占めると考えられるため、ここは事務所も黙認しているのだろう。

そもそも仮に1人1公演の原則を徹底したとすると、よくテレビなどで見る「全国ツアー10箇所28公演40万人動員!」みたいな触れ込みも達成できないだろう。

例えばデビューしてもうすぐ4年経つSexyZoneの2015年7月現在の会員数は10万7000人ほどらしい。

この中には既に期限切れのものも含まれるので、仮に7%が期限切れと見込むと有効会員は99,510人となる。

また、有効会員全員が今回のツアーを申し込んだわけではないと思われ、仮に8割が申し込んだとすると8万人弱となる。

今年の春ツアーの動員数は約14万人強と見込まれるので、申込み会員より6万人以上多く観客が入っていることになる。

もちろん複数枚申し込んで、ファンクラブに入会していないお友達を誘ったパターンもあるだろう。

しかしながら6万人全員がそうとも考えられず、恐らく2回以上入っている人が含まれると考えるのが妥当だろう。

 

「行きたい」という人が全員1度は行けるコンサートや舞台になればいいとは思うし、そうあるべきだと思うのだけど、逆に公演数が多すぎたりキャパが広すぎることで空席が出るのは事務所的にも出演者的にもよろしくはない。

そのあたりのあんばいが非常に難しいところではあるけど、嵐くらいに人気になればもうどのスタジアムでやっても人は溢れるだろうし、公演数増やしたところでまた2回以上いく人がさらに回数を増やすだけかもしれない。

 

「アイドル」というのは、「好き」とか「憧れ」などという人間の感情を基に成り立っているビジネスであるから、全てが道義や理性通りになる世界ではないと思っている。

感情が絡むとなかなか一辺倒にはいかない。

「自担を何度でも見たい!!」と思うのは自然なことだし、だからこそ多ステしたいという人も現れる。

自分でも「私は1枚もチケットが当たらないのに、周りは何枚も当たっているなんてなんで!!!」と思うことだってあるが、それを抗議するあてもなくもう仕方ないのだ。

世の中そう甘くはないし、平等ではない・・・