本気出せばヲタ卒なんていつでもできるし。

社会人ジャニヲタがジャニーズとヲタクに関して勝手に考察しているブログです。

キスマイに見る「デビュー」とは

これほどまでにキスマイが一気に人気になるとは誰が予想してただろうか。

キスマイのデビュー前後は、「キスマイは一般受けはしない」というのが

定説だったように思う。

かのいう私はキスマイ担だった過去がある。

「滝沢演舞城」を見に行った時に、その時の弁慶がとてつもなくカッコよくて、

「あれ誰!???」ってなったのがきっかけである。

ご存知の方も多いだろうが、それが当時まだジャニーズJr.だった藤ヶ谷太輔さんである。

藤ヶ谷君の入所は結構前だけれど、ちょうど私がヲタ卒していた時期に入所した人なので

私は当時知らなかった。

弁慶の役をもらえるということは当時からそれなりに人気と実力があったわけだけども、

あれはもう本当にカッコよかった。

そもそも「弁慶」というキャラクター自体がとてもかっこ良いというのもあるだろうが、

藤ヶ谷君にぴったりとあっていたように思う。

キスマイはちょうどその頃とても勢いがあった頃だった。

プレゾンの単独主演、初めての全国ツアー、レコチョクCM、Mステ出演など立て続けにお仕事が決まった。

なのでキスマイの現場には事欠かず、すぐにのめり込んでいった。

彼らのその頃のウリは、「KAT-TUNを彷彿とさせるチョイ悪でギラギラしたかっこよさ」だったように思う。

オリジナル曲もFIRE BEATやHair、海賊なんかに見るようなカッコイイ曲が多かった。

ヲタクに媚びないオラオラな感じがとってもカッコよかった。

 

年が明けても「滝沢革命」、2ndツアー、A.B.C-Zとの「少年たち」の舞台、

KAT-TUNツアーのバックなどずっと忙しい時期が続いていた。

この頃になると「デビューできるのかな」なんてファンも本人たちも思っていたと思う。

ただ当然のことながら芸能界は厳しいもので、ジャニーズJr.を取り巻く環境もシビアである。

全員が幸せなんてことはありえないし、誰かがデビューするということは

誰かがデビューできないということでもある。

キスマイは当時のJr.では一大勢力だったが、その分アンチも多かった。

「ヲタク人気はあっても一般から人気を得るのは無理」

「デビューしても無駄」

なんて声がちらほら聞こえてきた。

しかし、勢いそのままに3rdツアーでデビューが発表された。

 

地震で当初の予定よりCDデビューは遅れたものの、デビュー曲を聴いて耳を疑った。

「えっ!?!?なんなのこの爽やかな曲は・・・」

キスマイの代名詞FIRE BEATとは似ても似つかない、爽やかな曲と衣装だった。

私は既にその時は藤ヶ谷担を降りてたので「あーそうきたかー」くらいだったけど、

あのギラギラ感が好きだった人には結構ショックだったのではないか。

美男ですね」の番宣で藤ヶ谷君がはなまるカフェに出演した際に、

「さわやかな好青年、藤ヶ谷太輔くんです!」と紹介されたときに耳を疑った。

「あの?ギラついていた?金髪の?たいぴーが?爽やか好青年???」

しかしそんなファンの失望をよそに、飯島マネージャーの下で

SMAPとのバーターと共に爽やかアイドルグループ計画を押し出された結果、

東京ドームですら落選が出るほどの人気グループに成長した。

売り出し方というのはとても大事なんだと痛感した出来事だった。

どんなグループでもやはり色々と策を練って計画的に売り出せば、

こんだけ人気でるんだなぁと。

 

私は当初、売れるためにキスマイとしての方向性を本人たちの意思とは反して

事務所に変えさせられたのだと思っていた。

いや多分最初はそうだったのだと思う。

でも嫌々というよりか、彼らはデビューした時は年も年だったし必死だったから、

デビューできればなんだってするくらいの意気込みだったから、

爽やか系へのシフトチェンジくらい別にどうだって良かったのかもしれない。

それはいいのだけど、当時のあの姿を見てファンになった自分としては

あのギラついていた時期をキスマイ本人が「黒歴史」として据え置くのがどうしても納得がいかない。

あの時期にファンがいなければそもそもデビューできなかっただろうし、

爽やか系にシフトチェンジする機会だってなかっただろう。

もちろんああいうチャラチャラした時期というのは、

年齢を重ねていくうちに落ち着いていくものだと思う。

もしかしてキスマイもほっといてもそのうち落ち着いていたかもしれない。

しかしそれも含めてその過去があったから今があるのでは?と思う。

 

一般のファンからすればあまりそういったことは気にならないと思うのだけど、

やはりJr.から見てきたファンって多かれ少なかれ色々な葛藤を抱えると思う。

良いファンというのは、本人たちと同じ気持ちで上を目指してくれて

雑誌やCDやDVDも買ってくれて、コンサートにも足を運んでくれる人のことを言うのかなと思う。

この「本人たちと同じ気持ちで」っていうのがなかなか難しくて、

「東京ドームや国立競技場でコンサートしたい!」っていう夢を手放しに賛同できないファンは多い。

「東京ドームじゃ大きすぎて近くで見えないしなー。。横アリがいいなー。。」

とついつい私は思ってしまう。

正直ぶっちゃけると、私はキスマイに対しても何が何でもデビューして欲しいわけではなかった。

当時はキスマイがメインでやってくれる色々な現場があって十分楽しかったし、

チケットも取れたし、別に不満はなかった。

でも、当然本人たちはデビューを望んでいるし、このままデビューしなかったら

いつかは辞めていく人も出るだろうということも分かっていたので、

一応その夢は応援しますくらいの気持ちだった。

実際デビューして私の大好きだったキスマイさんはどっか行っちゃったし、

チケットは取れないし高いしで、私としてはなんだかなーって感じの結果になった。

なので、デビューとは必ずしも万人が幸せになるものではなく、

ヲタクにとっての希望と、本人たちにとっての希望は

デビューによってバランスが崩れて一致しないことが概して多いということが分かった。

そうしてどんどんとまたヲタクは新たなJr.に降りていくのであろう・・・